ナゾ男式4350低音の鳴らし方

小生はいろんなスピーカーを鳴らしてきましたが、一番経験が長く気に入っているのは、やはりJBL4350と言えるでしょう。
以前、菅野沖彦先生に取材を受けた時に、既に4台目の4350で、あきれられましたが、現在は6台目になっています。
それはどうやっても好みの音にはならず、頭にきて手放す、すると1年くらいして反省してまた買うという繰り返しだったのです。
4台目から鳴りだしたと、オーディオ仲間に言っていますが、それは低音の鳴らし方を変えたからに他なりません。
JBLはL88で入門し、L100、Lancer 101、L26、4311、4343、4333、4350等と使ってきましたが、懐かしさもあるとは思いますが、L88が何といっても好みでした。
どんどんスケールを上げて、4343に行ったあたりで、ちょっとおかしいというか、自分の好みの音から離れていき、とうとうネットワークは外し、4ウェイマルチに走りました。
マルチアンプにして、4343も好みのバランスになり落ち着きましたが、これが小生のマルチアンプ人生の始まりでした。
何でネットワークで鳴らす4343で好みから外れたというと、ミッドバスが出っ張りすぎと感じたからで、それは4350も同じです。
このあたりが今でも2ウェイのL88が好きだと言える理由でもあります。
人間の耳は、音量が小さくなると低域と高域が低く感じるようになります。
これは聴覚生理学の分野で、Flecher Manson equal sensation curve というものがあり、音量が小さくなると、高域、低域を上げないと、全体域がフラットに感じないことが示されています。
4343や4350は本来モニタースピーカーですから、かなりの大音量でモニターする前提で作られているはずです。
小生は来客があった時などは、格好つけて音量を上げて鳴らすこともありますが、通常はわりと低めの音量で鳴らすことが多いのです。
大音量で再生しないことが、ミッドバスつまり中低音の出っ張りの原因だと考えたわけですが、そんな大音量再生は好みではないのです。
そこで考えたのが、Double Wooferを分けて鳴らす方法です。
これは拙著“暗い低音は好きじゃない”にも書いてありますが、今回はウーファーを入れ換えたこともあって、詳しく書いてみたいと思います。

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まず、ウーファー変更前の4350で、初期の米松合板を使っていた時期のものです。

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内側のウーファーは低音を受け持ち100Hz以下で、JBL 1500ALを使っています。
低域が実によく伸びているのに音が暗くならないのが素晴らしいウーファーです。
外側はJBL LE-15のプロ用の2215Bで100Hz以上を受け持たせ、乾いた低音を出すために選択しています。
高い方のウーファーのハイカットは、高域のユニットによって3種類に変更するようにしています。
オリジナルはミッドバス、ドライバー、ツイーターを内蔵の3ウェイのネットワークでつなぎ、ウーファーとの間は300Hzのチャンネルデバイダーで分割しています。

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これはオリジナルの内蔵の高域部は使わないで、ウーファーだけを使う場合のウッドホーン+αで、650Hzでウーファーと分割しています。

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裏側を見るとわかりますが、ウッドホーンのドライバーはTAD-4001でJBLのネットワークではハイカットはせずに上は出しっぱなしです。
さらにTAD4001のターミナルから分割してJBLのネットワークN8000のアッテネーターをLAXの定インピーダンス方式のAS-10に変更したものを使って、低域をTAD-2001、高域をTAD ET-703を使っています。
ですから高域は全てTADということになります。
JBLのバートロカンシーがパイオニアに来ていたころの作品と思われ、音の繋がりのスムーズです。

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こちらは高域をJBLで組んだ場合の組み合わせで、500Hzのクロスで高域は俗称蜂の巣ホーンのJBL HL88と075です。

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これはうちのオーディオシステムの司令塔のようなCello Audio Suiteで、バランスのライン入力が3系統、MC入力が1系統、それにアンバランスのAUXボードが入って、出力が2系統あります。
出力はボリューム経由で通常のプリアンプとして使う一方、録音出力を他のプリに振り分けてもいます。
3台のSuiteを合体して組み上げたのですが、音質、使い勝手も含め、自分にとってはなかなかこれに代わるプリはないのです。

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これは上がSuiteの録音出力を入れているGoldmund Mimesis 22で、4350のコントロールをしています。
下はGoldmund Mimesis 24MEで今回の話題とは無関係です。

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マルチアンプで不可欠なのはチャンネルデバイダーで、これはMark Levinson LMC2Lです。
現代のデジタル チャンネルデバイダーのようにツマミひとつでクロスオーバー周波数を変えられるものではないために、このように何台も揃えることになりました。
1970年代のものですが、このデバイダーの音はデジタルチャンネルデバイダーとは代えがたいものがあります。

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これは蜂の巣ホーンを鳴らしているLAXMAN のWE 300Bを使ったモノラルのMB-300です。
ウッドホーンを鳴らしているのは森川忠勇作のやはり300Bシングルですが、EMT 927
の後ろにあり写真が撮れないのが残念です。
こちらはステレオアンプですが、自分としてはLAXMANよりも好きです。

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これはウーファーとオリジナルの高域をを受け持つGoldmund Mimesis 28ME3台です。
今のGoldmundに比べ、音は荒いですが、速くて締まった音が出て、低音部には最適だと思っています。

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これが今回交換したウーファーで、上がJBL LE-15のプロモデルの2215Bで下がGauss 5831です。
Gaussは前に4583は試したことがありますが、低音は出るのですが、遅い音でちょっと残念でした。
Gaussはコバルト不足でアルニコマグネットが無くなる頃の出発なので、アルニコモデルが少ないのです。
今回は運よくアルニコの5831が入手できたので期待が大きいのです。

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これは裏側ですが、当時のJBLで一番大きいマグネットの2215に比較しても下のGauss 5831のマグネットの大きさがわかると思います。

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同じ38cmのウーファーと言っても微妙に大きさが異なり、キャビネットに嵌らないことがよくあります。
案の定、Gauss 5831もわずかに大きく4350には入りませんでした。
以前そういう経験をしているので、ウーファーに裏からはめ込んで、ウーファーのバスケットがキャビネットに当たらないようにするわけです。
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このように裏側から嵌めこむわけで、耳付きと耳の無いものを作ってありますが、4350は耳の部分の4か所しかネジ穴が無いので、耳付きを使いました。

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このようにうまくはめ込むことが出来ました。

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右がJBL 1500AL、左がGauss 5831です。

音質の変化ですが、とにかくパワフルで、音は暗くありません。
これまで、うちの4350は、ちょっと手名付けすぎの感がありましたが、今度はかなりヤンチャになりました。
まだ馴染んでいないので、これから音が変わっていくでしょうが、これはなかなかの楽しみが増えました。








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コメント

会長、やってますねー
僕もこんな天候だから、昨日は部屋に篭ってオーディオ調整してました。
トリノフは、ネットワーク接続でエンジニアとやり取り出来るんですね。ほとんどは低域の調整でした。
オーディオは一に低音、二に低音、三も四も五も低音だと思います。

No title

リベロさん、Gaussのアルニコの低音いいですよ。今回は真鶴に行けませんが、そのうちこちらにもおいでください。
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nazootoko4350

Author:nazootoko4350
2001年発足のオーディオ集団Double Woofers'のナゾ男です。
気楽な集団ですから、皆さん、気軽に書き込み、そして飲み会の案内時にはぜひ遊びにお出でください。

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